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ユーカリの木と赤い色の大地が広がるオーストラリア北部、先住民族が暮らす小さな町ドゥーマジー。2001年、地元の学校と協力して、学校に通う子どもたちと写真教室を行なった。子どもたちは、大地に寝転んでパチリ、走りながらパチリ。自由奔放な表現。学校の壁画には、アボリジニの伝統の絵が描かれていた。クラスでは、先生が子どもたちに絵本を読み聞かせ、広げたページには、ヘビやワニ、カンガルーなどがいっぱい。動物が搭乗する昔からの言い伝えに、子どもたちが聴きいっていた(永武ひかる)

2001年8-9月、オーストラリア北部のドゥーマジーで、アボリジニの子どもたちとワンダーアイズ写真プログラムを行なった。地元の公立学校と協力して、6才から17才まで100人のアボリジニの子供たちが参加して自由に写真を写した。一部は離れた祖先の土地でキャンプをしながら写した。


ドゥーマジーは約2千人のアボリジニが住むコミュニティで、アルコール依存症、失業や暴力など問題を抱える人が多く、むずかしい状況におかれている子どももいた。その一方で、祖先の大地や伝統文化を見直しながら、あらたな生き方を探るアウトステーションと呼ばれる再生プロジェクトも芽生えていた。その活動に取り組むグループと協力して写真ワークショップを行なった。


子どもたちは、ジャンプしたり、脚の間からのぞいたりしながら、思いのままにシャッターを押した。日本で開いた写真展では、アングルや切り取り方にも、とらわれのない作品群が並び、「プロはこんなふうには獲れないね」とカメラマンからも声があがった。


アボリジニの子どもたちが撮影した写真は、2002年、上野の国際子ども図書館<子どものまなざし〜アボリジニの大地から>展で展示。写真とともに、オーストラリアの絵本、クイーンズランド州立学校ロックハート・ステートスクールの生徒が描いた動物や自然などのリトグラフも展示。同展は、NHK教育テレビ「新日曜美術館」、BS-1「アジア情報交差点」、NHKラジオ「いききくらぶ」などで紹介された。


展覧会名:「子どものまなざし〜アボリジニの大地から」展
会期:2002年9月28日-12月1日
会場:子ども図書館 本のミュージアム (台東区上野公園12-49)
主催:国際子ども図書館、ワンダーアイズプロジェクト
協力:ドゥーマジー州立学校、ロックハート州立学校
展示内容・アボリジニの子どもたちが撮影した写真約220点、永武ひかる写真約60点、オーストラリア、アボリジニの絵本や児童書、ブーメラン(日本ブーメラン協会協力)、アボリジニの楽器ディデュリドゥなど
関連催事:井上隆氏ディデュリドゥー演奏会とワークショップ;講演会「カメラマン永武ひかるがみた"子どもたちのまなざし"」

それ後、作品は、ワンダーアイズ写真展 (2002年10/10〜21、銀座YAJIMAギャラリー)、「ミート・ザ・スピリッツ」展(2003年3/13〜21、新宿コニカプラザ)、2004年/ブラジル(サンパウロ、リオ、ブラジリア)、2005年/UNハウス(青山/東京)、伊仙町公民館(徳之島/鹿児島)、2006年/サンハート(横浜市文化センター)、JICA横浜、2007年/市川ニッケコルトン絵本展イベント、2008年/あざみ野横浜市民ギャラリー、続くほかの写真展でも紹介。 

<子どもたちが写した写真ギャラリー> と <オーストラリア先住民族についてのエッセイ(寺地五一氏)>

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